が庭先で素振りの稽古をしていると、望美が白龍と譲を伴い縁側に出てきた。「、」と声をかける。それに答えて、は首にかけてあった手ぬぐいで額の汗を拭いながら「なんだ」と返事をする。
「これから皆で下鴨神社に行こうって話しになったんだけど、もどう?」
「今日は怨霊退治はしないのか」
「たまには休息も必要だって、弁慶さんと朔に言われちゃって」
弁慶と朔の二人に言われてしまっては、望美も反論出来なかったんだろう。その場のノリでじゃあ出かけようかなんて話が進んで行ったのが雰囲気から感じ取れる。
「それもそうか…最近は目まぐるし過ぎて、全然休んでいなかったな」
「でしょう。私も朔に言われて初めて気付いたんだけど」
「確かに休息は必要ですから、それで散策に出かけようって話になったんです」
「怨霊退治で駆け回ってるから、名所でも行こうかってノリなんだけどね。も行こうよ」
「断るつもりはない。少し待っていてくれないか。着替えの時間くらいはあるんだろう?」
私室に戻って着替えてくる、と言いは後でと言い残してペタペタと歩いて行った。