平等院で一晩を過ごし、戦を終えた九郎と合流をした達はそのまま京の梶原邸に転がり込む事になった。
「京の邸は私と兄上と、少しの家人しか居ないの。同年代の望美達が居てくれたら、私も嬉しいわ」
「お世話になります!!!!」
「なんだ? 急に元気になったぞ」
「先輩の悪い癖です。気にしないで下さい九郎さん」
「でも、いいのか? 勝手に世話になる事を決めて。ご家族の了承を得なければいけないだろう」
「いいのよ。家族は鎌倉に居るから。さっきも言ったけど、京邸には私と兄上しか居ないのよ。気にしないで頂戴」
「そうか。ただ世話になるだけは心苦しい。だから、掃除くらいはさせてくれないか?」
「ふふ。ありがとう。助かるわ」
京に入る源氏軍一行。九郎は後処理をするからと六条堀川の邸へと帰って行った。
「僕も、京は朔殿のお世話になりましょうか」
「分かりました。望美、、疲れたでしょう? もう直ぐ邸よ。着いたら、お茶にしましょう」
「ほんと? やった!」
「本当は直ぐにでも兄上を望美に紹介したい所なんだけど、弁慶殿、兄上は別行動をされているんですよね?」
「ですが、景時も京に帰っている途中だと思いますよ。上手くいけば、邸で会えるのでは無いでしょうか」
「何事も無く帰ってきてくれるといいのですが…」
「景時も暇な男ではありませんから。陰陽師として、市中を駆け回っているのでしょう?」
「そうですね。じゃあ望美、兄上を紹介するのは後日でいいかしら?」
「大丈夫だよ」
「望美、邸に着いてからは当面のわたし達の行動を、話し合わなければいけないと思う。わたし達は京について不慣れだから、朔と弁慶殿も交えた方がいいと思うんだ」
「あ、そう言えば。行き当たりばったりで此処まで来ちゃったけど、これからどうしたらいいのかは分かんないもんね」
「と言うわけで、少し休憩を挟んで、今後を話し合いたい。力になってくれませんか?」
「僕でよければ」
「私も、大丈夫よ」