「――――トンネルのむこうは、不思議の町でした。(@千と千尋の神隠し/ジブリ)って違ううううぅぅぅぅうううぅぅうう!!!!!!」
「先輩、キャラ変わってます」
「そりゃ、変わるんじゃない? こんなトコに居ちゃあ、さ」
積もった降雪の上に、自身の足跡を作りながらはげんなりと言う。その隣には、望美ではなく、譲が陣取っている。なんだ。これは一体どういう事なんだ。自分達は一体、何に巻き込まれたのだろうか。
「明らかにあの子供が原因でしょうに。何処? 此処は」
「俺に言われても知りませんよ。と言うか、それよりも早く先輩を探さないと」
「うん、そうだね。といいたい所だけど、ほんっと君は望美が一番なんだねぇ。君の世界の中心にはきっと望美が居るんだろうね」
「それが何か?」
「言ってみただけ」
望美と連呼する譲に、更にげんなりした表情ではまた一つ足跡を作った。