カッキーン!
樫本監督に無理を言って(というか可愛らしくにっこり笑ってお願いと言った)打席に立つ。今日の先発はあたしだ。本田 吾郎なんかに負けるわけが無い。そんな気持ちであたしは打席に立つ。
「あぁ?横浜リトルにはもう一人女が居んだ?」
「なに、女で悪い?」
「べっつにー、お前におれの球が打てるかなぁと思って」
「打つよ。生意気なその口にぶち当ててやる」
「ちゃんっ!」
「うるさい寿也!あたしはコイツが気に食わないんだ!」
一球目。ワンストライク。かなりの速球だった。
だ け ど 、 打 て な い 球 じ ゃ な い 。
これでも、あたしは女にしてはそれなりに強肩だと自負しているんだ。