所変わって、此処は志村姉弟の住まう道場。
銀時がやる気の無い声色で音頭を取り「ふんどし仮面を捕まえろ〜」と言っていた。
「やる気出せや銀時いいいぃぃぃぃぃいいいぃぃぃぃいいい!!!!!
こちとら盗られたパンツに加えもう一枚追加で提供してやろうとしてんだろおおおおおおおおおおおおぉぉぉおお! やる気ねぇんならまずお前から血祭りにしてやろうかアァン?」
お妙から借り受けた薙刀を突きつけて、は銀時に詰め寄る。その後ろで近藤が「ちゃん、ちゃん!?」と焦った様子で言っていた。
「っていうかこんなことになったのって、ぶっちゃけなくても副長がさっさと奴を捕まえないから私やお妙さんのパンツが盗まれるんじゃないですか!」
「俺? 俺のせい?」
「そうですよィ土方さん。アンタがさっさと捕まえないから……もうほんと駄目な人だな土方アンタって人は、ほんとお前一度死んだら?」
「総悟、テメーいい度胸してんな?」
「ほんと、職務怠慢ですよ、土方さん」
ハッと鼻で笑ったに、土方の額に浮かんでいた青筋が増える。血管が膨れ上がって今にも破裂しそうな雰囲気である。
いやそれ職務怠慢ってお前らもだろうが、っていうか一番頑張ってふんどし仮面を探すべきなのはじゃねぇのか? だってお前以前言ってたろ、絶対捕まえてやりましょうね副長! って言ってたろお前つーか女のパンツなんか恵んでもらって嬉しいのは、アレだろ、彼女居ない歴イコール年齢の男だろ。「土方さん何か言いました?」「いいえ何も言ってません(怖ええええぇぇぇぇぇえええええ!! 怖ええええぇぇぇぇえええええ!!!!!)」銀時に突きつけていた薙刀を、今度は土方に突きつけはにこりと微笑む。パラリと土方の前髪が数本、煙草と共に切れて落ちた。
その直後、がにこりと笑って言った。
「神楽ちゃん組み手やらない? あ、傘使っちゃ駄目よ。私も素手でやっから」
「と組み手? 大歓迎アルよ!」
「それじゃ行くよ! って新八くん邪魔!!!」
「いやって言うか僕を真ん中に置いて組み手始めないで!」
神楽が手にしている傘を置き、がお妙に薙刀を返したその直後。板張りの床を素早く蹴って飛び上がったと神楽。「ほわちゃああああああああ」と掛け声と共に蹴りを入れる神楽を上手くいなし、はその背中に拳をぶつける。
バランスを崩した神楽が着地する。もふわっと柔らかく着地し、再び床を蹴る。
「ハアアアアアアアアアアアァァァァッ!!」
ふんどし仮面を捕まえるための準備運動が始まった。